2006 Fiscal Year Annual Research Report
Met/HGF受容体シグナル変換能の制御を介した組織再生・恒常性維持機構の研究
Project/Area Number |
18570127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 邦夫 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90201780)
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Keywords | HGF / Met / 接触阻害 / 組織再生 / ノックアウトマウス / チロシンフォスファターゼ / チロシンキナーゼ / 細胞増殖因子 |
Research Abstract |
Met/HGFレセプターのシグナル変換能は傷害・細胞間接着などによって制御され、正常組織においてはたとえHGFが結合しても活性化されないOFF状態にある。MetレセプターのON【double arrow】OFFシグナル変換制御機構の解明やその破綻は、HGF-Met系を介した組織再生の制御やがん悪性化に関与するものと考えられる。本年度は細胞間接着を介したMetシグナル伝達系の抑制機構を解析するとともに、Metシグナル変換の抑制に関与するjuxtamembrane領域欠損Met(ΔJxt-Met)ノックインマウスの作成を進めた。 1.細胞間接着を介したMetシグナル伝達系の抑制機構: HGFは低細胞密度下の初代培養肝細胞のDNA合成を強く促進するのに対して、高細胞密度においてはDNA合成を促進しない。このとき低細胞密度ではHGFによるMetの活性化が持続されるのに対して、高細胞密度ではHGF刺激後、膜貫通型チロシンフォスファターゼLARがMetと複合体を形成するとともに、Metを脱リン酸化(不活化)した。細胞増殖のcontact inhibition(接触阻害)は正常細胞と癌細胞を区別する性質として知られているが、その分子機構は不明な点が多い。Met-LAR複合体形成によるMetの活性化抑制はcontact inhibitionにおける新しい分子機構1の一つであり、Met-LARによるMetのOFF機構は組織再生制御に関与する一方、その破綻が癌悪性化に関与することが示唆された。 2.ΔJxt-Metノックインマウスの作成: 1)ΔJxt-Metを発現するノックインマウス作成のための、相同的組換え用ベクターを構築後ES細胞に導入し目的の相同的組換えを起こしたES細胞を選択した。 2)上記ES細胞を用いてキメラマウスを作成した。 3)キメラマウスの交配によりΔJxt-Metノックインマウスを作成中である。
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Research Products
(22 results)