2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
春本 晃江 奈良女子大学, 理学部, 教授 (80198936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
洲崎 敏伸 神戸大学, 理学部, 助教授 (00187692)
飯尾 英夫 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80145771)
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Keywords | 繊毛虫 / 接合 / 性フェロモン / ブレファリズマ / 有性生殖 / 糖タンパク質 / 遺伝子 / PCR |
Research Abstract |
1.ブレファリズマの接合において、増殖期には接合が起こらず、定常期に達して初めてI型細胞が性フェロモンであるガモン1の転写を開始する。性フェロモンの発現調節機構の解明へ向けて、増殖期にある細胞を人為的に飢餓状態に置き、何時間後にガモン1の転写が開始されるかを調べた。ガモン1の発現をノーザンハイブリダイゼーションとバイオアッセイによって経時的に調べた結果、細胞を飢餓状態において約1.5時間後にガモン1の転写が開始されることがわかった。また、単離した増殖期の細胞を用いてガモン1活性を調べたところ、細胞周期とガモン1の発現開始とは何らかの関連性があることが示唆された。 2.ガモン1は、繊毛虫の性フェロモンで唯一の糖タンパク質であるが、糖鎖が活性に関与するのかどうかについては明らかではない。そこで、糖鎖を特異的に切断する酵素を用いて、糖鎖のないガモン1が接合活性をもつかどうかを検討した。酵素の反応条件を検討し、ガモン1の活性を保持したまま酵素処理を行う条件をほぼ確立できた。酵素処理をしたサンプルをConAカラムに通して、マンノースにより溶出したサンプルをテストしたところ、活性は認められなかった。このことは、糖鎖が活性に関係していることを示唆しているが、さらなる検討が必要である。 3.ブレファリズマのII型細胞が出すガモン2はブレファリズマ属5種の間で共通の分子であるが、I型細胞が出すガモン1は種特異的であると言われている。しかし、これまでにBlepharisma japonicum 1種でのみガモン1が単離精製され、遺伝子が明らかにされているだけで、他種のガモン1相同タンパク質は単離されていない。そこで、B.stolteiのガモン1相同遺伝子の単離を試みた。B.stolteiのDNAを用い、B.japonicumのガモン1 cDNAをプローブとしてサザンハイブリダイゼーションを行った結果、強いシグナルが検出された。そこで、B.japonicumのガモン1遺伝子より作製したプライマーを用いてPCRを行い、増幅されたバンドを切り出してクローニングし、シークエンスを行った。得られたB.stolteiのガモン1相同遺伝子は、B.japonicumと約90%の相同性があった。
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Research Products
(3 results)