2006 Fiscal Year Annual Research Report
原核生物である粘液細菌を用いた新規cAMP情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
18570131
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
木村 義雄 香川大学, 農学部, 教授 (10243750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹川 薫 香川大学, 農学部, 教授 (50197282)
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Keywords | シグナル伝達 / 細菌 / cAMP |
Research Abstract |
A.PKA触媒サブユニットの精製 M.xanthus菌体よりcAMP依存性Ser/Thrプロテインキナーゼ(PKA)を種々なカラムを用いて精製を試みた。その際、PKAの最もよい基質であるkemptideを用いて酵素活性を測定した。その結果、3つの精製されたkemptideをリン酸化する酵素を用いて基質特異性などの酵素的諸性質を明らかにしたところ、精製された酵素はkemptide以外の種々のSer/Thrプロテインキナーゼ基質により高い基質特異性を示したことから、これらの酵素はPKAであるとは断定されなかった。M.xanthusにはSer/Thrプロテインキナーゼが100種類存在するとされ、また、kemptideはそれらの酵素において基質となりうることから、この基質を用いて精製した酵素から、基質特異性によりPKAを同定する方法は非常に労力のかかる方法であることが推定された。 B.cAMP分解酵素の機能解析 cAMP情報伝達機構に関する全体像を理解することを目的として、cAMP分解酵素とホモログのある3つの遺伝子(pdeA, B, C)破壊株を作製し、浸透圧、温度ストレス条件下等での生育、分化などの表現型ならびに細胞内cAMP濃度を野生株と比較した。その結果、pdeA, B変異株の胞子は浸透圧条件下で野生株より早く発芽がみられ、また、変異株の栄養細胞では高温条件下で生育の低下がみられた。それぞれの変異株では浸透圧条件下で約1,3-2.0倍cAMP濃度が野生株より高い値を示した。 これらの結果より、PdeAとPdeBは浸透圧条件下での胞子発芽時及び高温培養時においてcAMP濃度の調節を行うことで環境変化の適応に関与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)