2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570134
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
生城 真一 Toyama Prefectural University, 工学部, 准教授 (50244679)
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Keywords | 異物代謝 / グルクロン酸 / 相互作用 |
Research Abstract |
本申請では低分子化合物に対する生体防御機構である異物解毒の多様性を生み出すUGT分子間相互作用による活性制御機構を分子レベルで理解することを目的として最終年度は以下の通りに計画を実施した。 1)同時発現系を用いたUGT相互作用の分子機構の解析 酵母におけるUGT発現ミクロソーム膜標品を用いて抗体結合カラムによるイムノアフィニティー実験やタンパク質架橋実験により異種細胞におけるUGT1A1とUGT2B1分子間での相互作用による複合体形成を証明した。また、ラット肝ミクロソームで観測されるようにUGT2B1と他のUGT1A分子種と同時発現系を用いて分子種間相互作用の普遍性を示した。 2)酵母発現系を用いた異種UGTタンパク分子間の相互作用部位の解析 ラットUGTのキメラ分子を構築し、酵母発現系を用いてその抱合活性を測定したところ、いずれのキメラ体も著しい活性低下を示したことから、N末端及び末端ドメインは同一分子種間で密接に関連しあって触媒部位を形成していることが推測された。さらに、相互作用解析方法として表面プラズモン共鳴法に基づいた分子間相互作用解析装置を用いるためにその評価系の構築の検討を行った。分子種に特異的なペプチド抗体をセンサーチップに固定化して相互作用解析をおこなったが予想されるレスポンスが得られなかった。抗体の親和性の低さあるいは立体障害的な効果により結合が阻害されたものと思われる。 以上のように、ラットUGTの異種分子同時発現系を酵母を用いて確立し、抱合活性測定をおこなったが、分子間相互作用装置を用いた相互作用解析までにはいたらなかった。今後、本発現系を用いて分子レベルでのUGT間相互作用の解析と同時にUGTにおいてはこれまで単独分子種発現系のみでしか解析されなかった抱合能の検討が可能になり、従来では肝臓ミクロソーム標品でしか観測されなかった基質特異性の機能発現機構が明らかにされるものと期待される。
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Research Products
(12 results)