2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞,組織、そして個体におけるプロトン・サーキットの研究
Project/Area Number |
18570140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
和田 戈虹 (孫 戈虹) 同志社女子大学, 薬学部, 准教授 (00314427)
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Keywords | 低分子GTPase / V-ATPase / 酸性オルガネラ / pH-senser / プロトンの動態 / 膜輸送 |
Research Abstract |
哺乳動物は、多種の高度に分化した細胞により構築されている。これらの細胞は形態・機能がそれぞれ特殊に分化し、その細胞に託された機能を協調して遂行することによって、高等生物が示す高次の個体機能を実現している。エンドソーム・リソソーム系のオルガネラは、これらの分化形質の発現に直接的に関与する。ゴルジ装置,エンドソーム,リソソームあるいは液胞などのエンドソーム・リソソーム系オルガネラは、段階的により低い内腔のpHを形成・維持する。しかしながら、この『酸性オルガネラのpH感知・制御メカニズム』に関しては、未だ不明である。研究代表者がハーバード大学医学部との共同研究で、V-ATPaseのサブユニットが低分子GTPase Arf6のグアニンヌクレオチド交換因子(ARNO)とpH依存的に結合を示すことを見いだした。V-ATPaseがタンパク質分解経路に制御的な役割を持つことを明らかにした。さらに、V-ATPase酵素自身が貯留小胞やエンドソームなどを含むオルガネラの内部の酸性pH-senserとして機能することを強く示唆する結果を得た。これは、酸性pHと膜輸送との関連を解明する上できわめて重要な研究結果といえる。さらに、V-ATPaseサブユニット・イソフォームa3とpH感受性型緑色蛍光タンパク質(GFP)との融合タンパクのノックイン・マウスの作出に成功した。オルガネラ膜輸送および酸性pHをGFPのみならず、個体レベルで酸性コンパートメントを可視化し、プロトンの動態を追跡する系を構築した。
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[Journal Article] V-ATPase interacts with ARNO and Arf6 in early endosomes and regulates the protein degradative pathway.2006
Author(s)
Hurtado-Lorenzo, A., Skinner, M., Sun-Wada, G-H., Futai M, Bourgoin, S., Marshansky, V.
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Journal Title
Nat. Cell Biol 8
Pages: 124-136
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[Journal Article] Vacuolar-type proton pump with the a3 isoform regulates insulin secretion from pancreatic β cells.2006
Author(s)
Sun-Wada, G-H, Toyomura, T., Murata, Y., Yamamoto, A., Futai, M., Wada, Y.
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Journal Title
J. Cell Sci. 119
Pages: 4531-4540