2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミオシン(2型)アイソフォームの細胞内局所的活性化機構の解明
Project/Area Number |
18570144
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 正行 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (50241295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢澤 道生 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 教授 (50101134)
中冨 晶子 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 助教 (20360894)
山岸 晧彦 お茶の水女子大学, 理学部, 客員教授 (70001865)
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Keywords | ミオシン / フィラメント / 細胞内局在 / リン酸化 |
Research Abstract |
・フィラメント形成必須領域の特定(全長ミオシンII分子を用いて):尾部フラグメントの解析から提案したミオシンIIBのフィラメント形成に必須な三つの領域Nl(Glu1742-Glu1753),P1(Lys1842-Lys1852),P2(Lys1874-Arg1884)内の電荷逆転変異を導入したEGFP-IIBをMRC-5SV1TG1細胞に発現し、ストレスファイバーまたは膜直下構造への局在からフィラメント形成能を判断した。P1及びP2の電荷逆転変異体は、細胞質内に拡散して存在するが、N1電荷逆転変異体は予想に反し、野生型のミオシンIIBと同程度にファイバー構造に局在した。この結果からP1及びP2領域がフィラメント形成に必須な領域であることが強く示唆できた。また、N1部分が変異しても内在性のミオシンIIと相互作用できる、あるいはN1領域以外の負の領域がフィラメント形成に重要であることを示唆する。また、リコンビナント全長ミオシンIIBのバキュロウイルスを用いた昆虫細胞での発現に成功した。 ・細胞内局在を決めているミオシンII分子内領域の特定:尾部BRF-305とARF-296を交換したキメラミオシンII(IIA-Btail, IIB-Atail)の細胞内発現による局在を解析し、これらの交換した領域がそれぞれのミオシンIIアイソフォームの局在に重要な役割を担っていることを明らかにした。 ・細胞伸展部における調節軽鎖の2重リン酸化の分子機構:F-actinと2重リン酸化特異的抗体の同時染色による解析により、細胞伸展部におけるミオシンII調節軽鎖(RLC)の2重リン酸化は、膜がラッフリングしている箇所で起きているのではなく、伸展部の先端からかなり内側のラメラと細胞体の間にあるtransverse bundleと呼ばれる領域で起きていることがわかった。この部分にはミオシンIIAのみが局在しており、細胞の伸展におけるミオシンIIAの活性化の役割について考察できる結果が得られた。
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