2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子間相互作用によるアミロイド線維形成反応系の速度論・熱力学解析
Project/Area Number |
18570149
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
長谷川 一浩 University of Fukui, 医学部, 助教 (60324159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内木 宏延 福井大学, 医学部, 教授 (10227704)
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Keywords | 生物物理 / 生体分子 / アミロイド線維 / アルツハイマー病 / 透析アミロイド症 |
Research Abstract |
アミロイドは各種の前駆体蛋白質が重合した異常な線維であり、細胞外に蓄積し各種疾病の原因となる。われわれは、アルツハイマー病βアミロイド(Aβ)やβ2ミクログロブリン(β2-m)アミロイド等について、試験管内アミロイド線維形成反応系を構築し反応機構を解析した結果、線維形成・分解過程においてアミロイド線維・前駆体蛋白質と様々な生体分子・薬剤との分子間相互作用が重要な役割を果たすことを示してきた。この複雑な現象を理解するためには、個々の相互作用を解析した上で、統一的なシステムとして再構築する必要がある。この為に、アミロイド線維形成過程の反応速度論・熱力学的解析を行い、数値モデルを構築することを目標とする。本年度は下記の成果を得た。 (1)Aβおよびβ2-mアミロイドの核形成過程を解析する為に、チオフラビンT分光蛍光光度法を用いたアミロイド線維定量をハイスループット解析する反応系を構築した。核形成を促進・抑制する各種生体分子(細胞外マトリックス成分、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン等)の探索を行った。 (2)β2-mアミロイドの前駆体蛋白質のβ2-mは、天然構造のままでは核を添加しても線維伸長をせず、アミロイド原性の構造に変化させる因子が必要である。この機能を有する生体分子群を探索し、陰性荷電を有するリゾリン脂質および、遊離脂肪酸の一部が誘起効果を示すことを見出している。本年度は、生体内での反応機構を検討するため、それぞれについて透析患者血液中の濃度測定などを行い、有効な成分の増加を検出した。
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