2006 Fiscal Year Annual Research Report
mRNAの3'側切断に関与するCF-I複合体の機能解析
Project/Area Number |
18570159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
和田 忠士 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助教授 (60262309)
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Keywords | 転写 / ポリAサイト / mRNA / RNA切断 / 抗体 / RNA干渉 / ノーザンブロット / 組織特異的 |
Research Abstract |
高等真核生物の約50%の遺伝子において、1つの遺伝子上に複数のポリAサイトが存在する。このような複数のポリAサイトのどれを使用するかは、発生時期や組織において特異的に制御されていると考えられている。しかしながら、特に3'UTR内でのポリAサイトの選択にどのような因子が寄与するのかは全く不明であった。本研究では、3'末端プロセッシング因子であるCFIm(Cleavage Factor Im)が細胞内でどのような機能を有するのか解析した。CFImはRNA結合因子で、試験官内でのRNA切断反応を促進することが知られている。CFImは分子量の異なる3つのサブユニットCFIm25、CFIm59とCFIm68からなる。そのうち分子量の最も小さいCFIm25をGST融合タンパク質として大腸菌から調整し、これを抗原としてポリクローナル抗体を作製した。次にRNA干渉によりヒトHeLa細胞でCFIm25をノックダウンし、これを作製した抗体により確認した。CFImが3'UTR内でのポリAサイトの選択に寄与することを検討するため、選択的ポリA制御の存在がすでに報告されているTIMP-2、syndecan2、ERCC6、およびDHFR遺伝子を対象としてノーザンプロット法により解析を行った。その結果、すべての遺伝子においてCFIm25が減少した細胞では、最も5'側のポリAサイトが優先的に使われるようになることを発見した。これにより、CFImが実際に細胞内で選択的ポリA制御に関与することが初めて示された。一方、CFIm25自身のmRNAは長さの異なる1.1、2.0、および4.6kbから構成される。4.6kb mRNAはユビキタスに発現しているのに対して、1.1kbと2.Okbは組織特異的発現であることから、CFIm25の発現も選択的ポリA制御で行われている可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)