2006 Fiscal Year Annual Research Report
DNAの高次構造と物理的特性に印された遺伝情報の解読
Project/Area Number |
18570165
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大山 隆 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60268513)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 匡 近畿大学, 先端技術総合研究所, 準教授 (10322265)
|
Keywords | 遺伝情報 / DNA高次構造 / ゲノム / DNAの物理的特性 / クロマチン |
Research Abstract |
I.レポーターを導入したマウスES細胞株の樹立 ニワトリのβ-アクチンプロモーターをテストプロモーターとし、その上流にT20(負の超らせんを擬態した180bpの人工ベントDNA)を配置して構築したレポーター(レポーター遺伝子はGFP遺伝子)をマウスES細胞のゲノムに導入した。なお、loxP配列をT20の上流にひとつ、T20とプロモーターの間にひとつ、それぞれ配置した。ゲノムにレポーターが入った細胞株は多数得られたが、ほとんどの場合、上流側のloxP配列の一部またはT20の一部が欠失していた。このため、この領域の構造に少し手を加えて再度実験を行い、目的とする細胞株の候補を数株得た。現在、構造解析を進めている。 II.マウスES細胞におけるT20の機能解析とES細胞の分化誘導 既に得られていた二つの細胞株を用いてT20の機能解析を行ったところ、どちらの細胞株においてもT20により転写が活性化していることが示唆された。また、細胞株のひとつを用いて、肝細胞への分化誘導を行ったところ、条件によっては細胞増殖が停止してしまうことが明らかになった。この結果は、T20が細胞周期にも影響を及ぼしうることを示唆しており興味深い。現在、この現象の分子機構を調べている。 III.高頻度組換え部位の機械的特性の解析 DNAの柔軟・剛直特性をゲノムワイドに解析できるコンピュータプログラムの開発を試みた。そして、300MbのDNAの機械的特性をわずか1時間程度で解析できるプログラムを作成することに成功した。このプログラムを用いて、出芽酵母第3染色体の全ての高頻度組換え部位を対象とした柔軟・剛直特性の解析を行った。その結果、高頻度組換え部位はゲノムの他の領域に比べて特徴のある特性をもっていることが示唆された。
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
-
-
[Book] DNA structure, Chromatin and Gene Expression2006
Author(s)
Ohyama, T., Sumida, N., Tanase, J., Inoue, S., Okabe T.
Total Pages
252(our chapter; 71-84)
Publisher
Transworld Research Network (kerala) Editors : Kiyama, R. and Shimizu, M.