2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアDNA複製開始の新規制御機構に関する研究
Project/Area Number |
18570168
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
凌 楓 The Institute of Physical and Chemical Research, 吉田化学遺伝学研究室, 先任研究員 (70281665)
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Keywords | DNA二本鎖切断 / Saccharomyces cerevisiae / 相同DNA組換え / ローリングサークル型DNA複製 / コンカテマー / ホモプラスミー / ヘテロプラスミー / DNA修復 |
Research Abstract |
ミトコンドリアDNA(mtDNA)のコピー数は細胞がおかれている生理条件に応じて増減することが知られているが、その制御機構については不明な点が多い。出芽酵母においてmtDNAの複製は主に相同組換えを介したローリングサークル型複製に依存し、その開始は複製開始点での二本鎖切断によることをこれまでの研究によって明らかにした。本年度は前年度に引き続き、ローリングサークル型複製による欠失変異mtDNAの優勢複製を抑制し、mtDNA複製開始点での二本鎖切断の生成を一定レベルに抑える機能をもつImrlについて解析を行った。Imrlの局在を調べるために、Imrlを過剰発現させた細胞からミトコンドリアを単離し、前年度に作製したImrlに特異的な抗体を用いてウェスタンブロットを行った。その結果、過剰発現さなかった細胞と比較してImrl由来のシグナルが顕著に増加した。このことから、Imrlはミトコンドリアに局在することが考えられる。また、サザンブロットによる定量解析でmtDNAコピー数を調べたところ、欠失変異mtDNAを持つ細胞においてImrlを過剰発現させると過剰発現させない細胞と比較して、mtDNAコピー数が5分の1程度まで顕著に減少することが判明した。さらに、二次元電気泳動で欠失変異mtDNAの分子種について調べたところ、Imrlを過剰発現した細胞では、ローリングサークル型複製の中間体である単位長さのmtDNAが直列に連結した直鎖状多量体及び環状マルチマーの合成量が顕著に減少することを明らかにした。本年度の研究成果を通して、Imrlがミトコンドリアにおける相同組換えを介したローリングサークル型複製を抑制する機能をもつ因子として同定することに成功した。また、Imrlの過剰発現がローリングサークル型複製に依存する欠失変異mtDNAの優勢複製を抑制するという観察事実に合理的な解釈を与えた。
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Research Products
(9 results)