2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の極性輸送を制御するキナーゼLRK-1の解析
Project/Area Number |
18570174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久本 直毅 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (80283456)
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Keywords | 極性輸送 / キナーゼ / 神経 / C. elegans |
Research Abstract |
LRK-1はシナプス小胞蛋白質SNB-1(VAMP2の線虫ホモロ=グ)やSNG-1(シナプトギリンの線虫ホモログ)のシナプス特異的な局在を制御する新規キナーゼである。これまでの解析から、LRK-1は神経細胞の細胞体にあるゴルジ体で機能することにより、それらの蛋白質の局在を制御する可能性が示されていた。そこで、、LRK-1の神経細胞における細胞内局在を調べたととろ、ジナプス領域に局在するSAD-1やSYD-2とは異なり、主にゴルジ体に局在していることが判明した。1rk-1がゴルジ体で機能するというこれまでの見解と合致するものである.それをさらに確かめるため、レーザー共焦点顕微鏡を用いたライブイメージング解析を行った。その結果、unc-104変異で通常のシナプス小胞輸送を止めると、細胞体から樹状突起先端へのSNB-1の輸送は消失した。しかし、さらにそこ1rk-1変異を導入すると、細胞体から樹状突起への輸送が観察されるようになった。最近、線虫のプロテインキナーゼSAD-1およびシナプス領域でのスノキャプォールド蛋白質のひとつであるSYD-2も、1rk-1変異体と同様にシナプス小胞蛋白質の局在を制御することが報告された。そこで、これらの因子とLRK-1との関係を遺伝学的に検証したところ、LRK-1はSAD-1やSYD-2とは異なる別の経路で機能することが示唆された。以上のことから、LRK-1は神経細胞のゴルジ体においてSNB-1やSNG-1の選別輸送を制御する因子として機能すると考えられる
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