2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の極性輸送を制御するキナーゼLRK-1の解析
Project/Area Number |
18570174
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久本 直毅 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 准教授 (80283456)
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Keywords | 極性輸送 / キナーゼ / 神経 / C.elegans |
Research Abstract |
LRK-1はシナプス小胞蛋白質SNB-1(VAMP2の線虫ホモログ)やSNG-1(シナプトギリンの線虫ホモログ)のシナプス特異的な局在を制御する新規キナーゼである。しかし、LRK-1の周辺で機能する因子についてはまだよくわかっていない。そこで今回、LRK-1と同様なシナプス小胞蛋白質の局在異常の表現型を示す変異体の探索を行った。その結果、シャペロン調節蛋白質BAG-2の線虫ホモログUNC-23の変異体が、lrk-1変異体と同様の局在異常の表現型を示すことを新たに見いだした。これまでの解析から、lrk-1変異体でみられる表現型は、クラスリン結合蛋白質AP1の線虫ホモログUNC-101の変異によって抑圧されることが分かっている。unc-23変異体でもunc-101変異によって同様な抑圧がみられたことから、UNC-23はLRK-1と同様なシステムの異常によりシナプス小胞蛋白質の局在異常を引き起こすと考えられる。さらに、unc-23変異体で見られる表現型はユビキチンリガーゼCHIPの線虫ホモログCHN-1の変異により抑圧された。一方、lrk-1変異はchn-1変異では抑圧されなかった。これまでの研究では、哺乳動物BAG-2はCHIPのユビキチンリガーゼ活性を負に制御することが示されている。従って、線虫においてもUNC-23がCHN-1を負に制御することにより、おそらくLRK-1を介してシナプス小胞蛋白質の局在を制御していると考えられる。
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