2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞質シャペロニンCCTによる細胞内機能のサポート機構
Project/Area Number |
18570175
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保田 広志 Kyoto University, 再生医科学研究所, 助教 (80332724)
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Keywords | CCT / 分子シャペロン / フォールディング / RNAi / タンパク質凝集 / 神経変性疾患 / 蛍光相関分光法 / 蛍光エネルギー共鳴 |
Research Abstract |
細胞質シャペロニンCCTは、ヒトを初めとする全ての真核細胞においてタンパク質のフォールディング(折りたたみ)を介助する重要な分子である。CCTは、8種類ものサブユニットを介した非常に複雑で巧みなシャペロン機構を持っていると予想されるが、その詳細については解っていない。そこで、本研究は、CCTの持つ基質特異性や、CCTによる基質タンパク質フォールディング介助のメカニズムを明らかにすることを目的とした。昨年度までの研究により、CCTが、インビトロの実験系において、疎水的βシートを強く認識することを見出した。さらに、細胞内においても、RNAi法によるノックダウンや、強制発現の実験系を用いることより、CCTには、βシートを介して凝集することが知られているポリグルタミンの凝集と毒性を抑制する効果があることをも見出した。 そこで、本年度は、PURE SYSTEMにCCTを加えたインビトロ翻訳系を用いて、モデルタンパク質のフォールディングを、CCTと共に促進する共役因子の同定を試みた。まず、ウシ精巣抽出物を、この系に加えると基質タンパク質の可溶性が非常に高まることがわかった。また、この効果は、ウサギ網状赤血球抽出物のそれに比べて、遥かに高かった。そこで、ウシ精巣抽出物を生化学的に分画し、その活性を調べたところ、複数の画分において、基質タンパク質の可溶化を促進したり、フォールディングを促進したりする活性が認められた。これらの画分中にCCTと共役してフォールディングを促進する因子が複数含まれているものと考えられるので、これらの画分に含まれるタンパク質をマススペクトル分析等を用いて解析することにより、CCT共役フォールディング促進因子が同定できるものと考えられる。
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Research Products
(6 results)