2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期のS期に機能する新たなタンパク質分解系の解析
Project/Area Number |
18570181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西谷 秀男 九州大学, 医学研究院, 助手 (40253455)
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Keywords | DNA複製 / 分解 / ユビキチン |
Research Abstract |
細胞周期のM期終期からG1期においてDNA複製のライセンス化に必須な因子Cdt1は、S期の開始とともに速やかに分解される。N末の解析より、二つの異なったユビキチン化酵素が関与することを明らかにした。一つはSkp2-Cul1酵素で、もう一つはDDB1-Cul4である。Skp2-Cul1酵素は、S期およびG2期においてもCdt1の分解に関わる。一方、Cdt1のN末には約10アミノ酸の種間で保存されたPCNA結合配列(PIP-ボックス)があり、PCNAとDDB1-Cul4が、S期のみ機能するCdt1の分解システムであることを明らかにした。また、この分解系は、UVなどのDNA損傷を受けたときにも機能する。従って、PCNAがクロマチンに結合しているS期やDNA修復時に、DDB1-Cul4と連係してCdt1の分解をもたらすと考えられた。PIP-ボックスに変異を持つCdt1は、UV照射後安定であり、また、Skp2-Cul1の機能を抑制するとS期に安定に存在した。 PIP-ボックスを持っPCNA結合蛋白質は数多く知られている。BLM DNAリガーゼ、CDKインヒビターp21などを材料に、S期やUV照射後、分解されるかどうか調べたところ、p21タンパク質がPCNA依存的に分解されることを明らかにした。PCNAをサイレンシングあるいは、p21のPIP-ボックスに変異を入れるとp21は、S期およびUV照射後、安定化した。
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