2007 Fiscal Year Annual Research Report
核内構造体形成及び転写制御におけるタンパク質SUMO化の役割
Project/Area Number |
18570182
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
斉藤 典子 Kumamoto University, 発生医学研究センター, 助教 (40398235)
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Keywords | 核スペックル / RanBP2 / SUMO / PMLボディ- / マウス初期胚 |
Research Abstract |
1. SUMO化活性と核スペックルの形成機構の解明 核スペックルは転写、RNAスプライシング、プロセッシング、輸送に関わる多くの蛋白質とpoly(A^+)RNAを含む、遺伝子発現制御に重要な核内構造体である。しかし、細胞内でどのように形成されているかは明らかでない。本研究により、核膜孔タンパク質RanBP2は核膜孔でSUMO E3活性を発揮していることを明らかとしてきた。さらに、siRNAを用いたRanBP2の減弱による種々の核内構造体への影響を網羅的に調べたところ、核膜、核膜孔複合体、核小体などは不変である一方、PMLボディーの数が減少、核スペックルが形成不全、カハールボディーが核スペックル様に分布、傍核小体の形態が変化するなど複数の特異的変化を確認した。RanBP2の減弱により核スペックルの不全を呈する細胞に着目し、核スペックル構成因子群の挙動を調べた。また、本細胞にRanBP2のSUMO活性部位を再導入することにより、核スペックルの形成効率が回復することを見いだし、核スペックルの形成機構を分子レベルで追跡することを可能とした。 2. マウス初期胚の染色体と細胞核内構造の解析 生物の発生過程は、細胞の増殖と特定の細胞系譜への分化から成るが、いずれの場合も核内構造が大きく変動し、それに伴い特定遺伝子の発現はダイナミックに変動する。マウス初期胚の蛍光免疫染色法を確立し、PMLボディー、核膜、核小体、ヒストン修飾、抑制クロマチン因子など、発生初期における様々な核内構造体と染色体のダイナミクスを可視化した。
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