2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570185
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
広瀬 富美子 兵庫県立大学, 大学院生命理学研究科, 助教授 (60208882)
|
Keywords | 細胞周期 / 転写因子 / ノックダウン / レンチウイルス / hDREF |
Research Abstract |
hDREFが細胞周期や増殖に与える影響についての解析を行うため、レンチウイルスを用いた効率のよいhDREFのノックダウン系を構築した。また、shRNAを発現するレンチウイルス感染により生じる表現型はhDREFの特異的ノックダウンの結果であることをレスキュー実験により証明した。 hDREFをノックダウンした細胞の表現型を詳細に調べた結果、以下のことが判明した。 (1)フローサイトメトリー解析により、hDREFの枯渇はS期の細胞集団を減少させ、G2/M期での細胞集団を増加させる。 (2)このとき、ピストンH3のM期特異的リン酸化は起こらず、cyclinB1たんぱく質の細胞質での蓄積が起こる。 (3)正常細胞で起こるcdc25C脱リン酸化酵素のG2-M期における発現量の上昇が起こらず、cdc25Cにより活性化されるcdc2キナーゼのG2-M特異的活性化も起こらなかった。 (4)培地に添加したBrdUを取り込む細胞が消失する。 これらのことから、hDREFは細胞周期の複数のステップで必要であることが推測された。特に、G2-M期の移行に関しては、G2-M期の制御因子の発現調節に関与している可能性が示唆された。G1-S期については、G1-S期の進行に必須な遺伝子(ピストンH1遺伝子やリボソームたんぱく質遺伝子)の発現制御において重要な役割を担っているのではないかと推測している。実際に、血清飢餓による同調培養細胞におけるhDREFの発現動態をRT-PCRおよびウエスタンブロット解析により調べると、血清飢餓状態ではhDREFの発現は消失し、血清添加約6時間後から発現が誘導され、S期の初期に最大の発現量を示した。G1-S期、G2-Mの課題である。 hDREFの標的遺伝子を明らかにするために行う、チップオンチップ解析の準備を整えた。
|