2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
舟橋 淳一 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (00270827)
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Keywords | 内耳 / 三半規管 / ゼブラフィッシュ / ニワトリ / BMP / Nogin / GFP / トランスジェニック |
Research Abstract |
脊椎動物の内耳背側にある三半規管は、その三次元的構造と機能が密接に結びついているうえ、特に三半規管は脊椎動物の種に関わらず基本的な形態が共通しているので、形態形成機構の解析のモデル系として魅力的な器官である。この三半規管の形態形成のメカニズムの一端を明らかにする事を目指し、研究を進めて来た。 (1)ニワトリ胚を用いた解析 器官培養の改良を進め、物理的刺激やnetrin-1、FGF9が三半規管形成に及ぼす影響を検討中である。 (2)ゼブラフィッシュを用いた解析 三半規管形成の最初の過程である耳胞内部への4つの上皮の突出のうち側方のみしか形成されない変異系統galleryの表現型の詳しい解析を行なった。この変異個体ではBMPの発現が異常に高まっている。そこで、正常胚に過剰なBMPを与えたところ、三半規管形成の異常が生じた。一方、変異胚にBMPのアンタゴニストであるNoginをしみ込ませたビーズを移植したところ、部分的な回復がみられた。よって、この変異の表現型の少なくとも一部はBMPの異常な発現亢進に起因していると考えられる。なお、この変異の原因遺伝子のマッピングは現在進行中である。 国立遺伝学研究所の川上浩一博士との共同研究により同定したGFPトランスジエニック系統の一つは、耳胞の上皮突出の先端でGFPを発現しており、GFPの挿入遺伝子座にある遺伝子が、三半規管形成に重要な役割を持つ可能性を見いだした。現在この遺伝子のクローニングに向け、作業を進めている。
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Research Products
(2 results)