2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570196
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤森 俊彦 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (80301274)
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Keywords | マウス / 初期胚 / 細胞 |
Research Abstract |
細胞の形態の観察を通して特に着床前のマウス初期胚についての理解を進める為に、昨年度に引き続き以下の実験を行った。 8細胞期から胚盤胞の時期までの連続撮影条件の検討 細胞の形態を可視化する為に作製した、Lynの膜局在シグナルと融合した蛍光タンパク質、モエシンのアクチン結合部位と融合した蛍光タンパク質をコードする遺伝子をRosa26遺伝子座にノックインしたマウス胚を用い、8細胞期から胚盤胞の間細胞の形、胚の中での相互的位置関係を連続観察する条件だしを行った。Lyn-Venusは長時間撮影を続けると、細胞内局在が不安定になり膜を十分に観察することが難しいこと、Moesin-Venusは胚の表面は良く標識できるのに対し、細胞間の可視化に難点がみられた。今後更に撮影条件の最適化を行う必要がある。ファロイジン染色と、分化マーカー染色による細胞の位置関係と分化様式の解析 8細胞期から胚盤胞までの間の各段階で野生型の胚を固定し、Cdx2,Oct4抗体で染色し、同時にファロイジン染色により細胞の形態を可視化した。ファロイジン染色から胚の表面に露出している細胞を外側、露出していない細胞を内側の細胞と定義した。内側の細胞は8細胞期では見えず、その後少しずつ増えた。Cdx2の発現は8細胞期では非常に弱く、その後段階が進むにつれて強くなった。また、Cdx2の発現は胚盤胞に至る時期まで外側の細胞で強くなった。これに対してOct4の発現は内側、外側問わず強く発現が見られ、胚盤胞の後期になり内側に限局していくことが明らかになった。今後他の分化マーカーの発現様式、またこの時期の細胞の動きと併せてこれらの解析を進める。
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