2007 Fiscal Year Annual Research Report
未分化性幹細胞の可能性(Potency)と未分化性維持機構の解析
Project/Area Number |
18570201
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
白吉 安昭 Tottori University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90249946)
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Keywords | 幹細胞 / ES細胞 / 未分化性 / クロマチン / 細胞分化 / プロテオーム |
Research Abstract |
1.細胞融合法を用いた全能性、未分化性維持に関わる因子の染色体マッピング、2.FDIAのクローニング雑種細胞株の染色体構成の解析が引き続き進行中であり、原因染色体の同定には至っていない。FDIAのクローニング実験によって、HP1βを見いだしたので、本年度、FDIAは主に生化学的手法で精製することとした。 3.HP1βの機能解析HP1βを強制発現するES細胞株を分離し、それらの分化能等を解析した結果、ES細胞の分化が促進されることが分かった。これはHP1が構成するクロマチン構造がES細胞の分化を制御することを示唆するデータであり、ES細胞の未分化性維持機構と多分化能の分子基盤を探る上で重要な発見といえる。また、分化能を失っているF9細胞株ではHP1βに変異が生じている可能性が見つかっており、HP1と分化能との関連を示唆する。 4.14-3-3σの発見F9細胞とES細胞との間で発現の異なるタンパク質14-3-3σを見いだした。14-3-3σの強制発現株では、OCT3/4の発現が速やかに消失することが分かった。この強制発現実験によって、このタンパク質もES細胞の分化能を制御している可能性が示唆される。さらに、F9細胞とES細胞におけるタンパク質発現の違いは、転写後調節に因っている可能性を見いだしている。 5.FDIAの精製FDIAには、分子量および熱安定生のことなる少なくとも2種類の活性が含まれていることを明らかにしている。また、複数のカラムを用いることによって、部分精製に成功している。
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