2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570205
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福田 公子 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 准教授 (40285094)
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Keywords | 消化管 / 内胚葉 / マイクロアレイ / 細胞運動 / 領域化 / 細胞標識 |
Research Abstract |
原腸陥入と共に成立した内胚葉は,胚の最も腹側にシート状に広がる.このときの内胚葉は明確な上皮構造をとらず,中胚葉と区別のつかないルーズな組織である.しかしやがて上皮化し,消化管上皮へと分化する.成立した内胚葉がどのような分子機構で消化管上皮として分化するかを調べるには,初期内胚葉で発現する遺伝子の同定が必要である.そこで,Microarray法を用いて,初期内胚葉に発現するが,領域化した内胚葉には発現しない,初期内胚葉特異的遺伝子の同定を試みた.その結果多数の遺伝子が同定された.内胚葉にはごく初期にマスター遺伝子と言われるSox17が発現しているが,その遺伝子発現はすぐに消失し,その後の消化管上皮マーカーの発現までかなりのタイムラグがあることも考えると,同定された遺伝子の機能を調べることで内胚葉から消化管上皮への分化の分子機構を知ることができると考えられる. また,昨年度ステージ8以降のインターカレーション運動が前腸の伸長に関わっていることを明らかにしたが,本年度はさらに前腸形成の細胞動態を調べるために,前腸形成時の細胞分裂を調べた.その結果,前腸腹側と背側の内胚葉では細胞分裂はごく少ない細胞でしか起きておらず,昨年度の結果と合わせると,前腸伸長の主な原動力は細胞運動であることが示唆された. さらに,New cultureとelectroporationを組み合わせることで,これからの消化管領域化の分子機構解明に必要と思われる,厳密な部位特異的遺伝子導入法を確立した.
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Research Products
(5 results)