2007 Fiscal Year Annual Research Report
甲殻類生物で見いだされたホメオティック遺伝子融合発現の生理的意義の解明
Project/Area Number |
18570208
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
志賀 靖弘 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 生命科学部, 助教 (00277253)
|
Keywords | Hox / 形態進化 / 翻訳制御 / 発現制御 / ミジンコ |
Research Abstract |
甲殻類生物で見出されたホメオティック遺伝子融合発現の生理的意義を解明するために、本年度は特にミジンコのUbx/Antpを中心に詳細に解析を行い、以下の結果を得た。構成的に発現するアクチンプロモーターの制御下で、ミジンコUbx/Antpの様々な変異/欠失体を癸現させたが、mRNAが非常に不安定であるという問題を改善するには至らず、これ以上の解析は現時点では不可能との結論に達した。前年度に引き続きミジンコHoxクラスター領域の塩基配列の解読を継続し、オオミジンコのDfd, Hok3, pb, labの各遺伝子周辺の塩基配列の解読はほぼ完了した。また国際研究組織Daphnia Genome Consortiumで解読したミジンコ染色体塩基配列のHoxクラスター領域のアノテーションを行った。この配列とオオミジンコのHoxクラスター配列と比較したところ、昆虫類で広く保存されている2つのマイクロRNA産生領域がミジンコ染色体内でも保存されていた。これらのマイクロRNAはショウジョウバエ内でHOMタンパク質の発現抑制に関与されていることが示されているが、これらの標的配列がオオミジンコUbxおよびAntpの3'UTRにも存在していた。上記したUbx/Antpの変異/欠失体のmRNAが非常に不安定であるという事実も含め、融合mRNAからのタンパク質抑制機構に進化的に保存されているマイクロRNAが関与している可能性が示唆された。ミジンコにおけるRNA干渉法を開発(他研究室との共同研究)し、既にクローン化してあった一部の形態形成遺伝子の二本鎖RNAをマイクロインジェクションすることによって発現部位に応じた表現型が生じることを確認した。現在はホメオティック遺伝子に関して同様の解析を行いつつある。
|
Research Products
(1 results)