2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
分部 哲秋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (50124847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 和信 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (80195966)
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Keywords | 形態人類学 / 先史人類学 / 古墳人 / 南九州 / 骨格形態 / mtDNA |
Research Abstract |
南九州地域(宮崎県)の地下式横穴墓から出土した古墳人骨に関して、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科に保管されている灰塚地下式横穴墓群8体、大萩地下式横穴墓群27体、旭台地下式横穴墓群35体、日守地下式横穴墓群12体、その他11地下式横穴墓群からの31体、現地に赴いて調査された宮崎県立西都原博物館保管されている下川原牧ノ原地下式横穴墓群12体を始めとする7地下式横穴墓群から出土した34体、両機関を合わせて総数147体について、頭蓋および四肢骨の詳細な計測・観察と頭蓋形態小変異の観察を実施した。 本年度検索分は全体の約半数であるが、頭型は中頭型に属し、顔面は低顔傾向を示す例が多く認められた。推定身長もやはり低身長の例が多く認められた。また、頭蓋形態小変異の観察において特筆すべきは、外耳道骨腫の出現頻度が高く、しかも顕著な例が目立つことである。 ミトコンドリアDNA解析については、灰塚地下式横穴墓群7体、大萩地下式横穴墓群24体および日守地下式横穴墓群10体の人骨試料を採取し、順次D-loop領域のHV1(16024-16365)およびHV2(73-340)部位を計8種類のプライマーセットを用いて抽出、増幅およびシークエンス処理を行った。解析を進めていく過程で、シークエンスの際に非特異産物を認識し塩基配列の解読が一部うまくいかないというトラブルも生じたが、シークエンス用プライマーを見直して解決した。採取試料のうち30体でDNAの抽出・増幅に成功し、現在これらのうち20体の塩基配列を決定している。なお、解析に先立って、歯根部を試料とした24サンプルについてはレプリカ作製を行い、歯牙の形態保存に努めた。
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