2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570223
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
五十嵐 由里子 Nihon University, 松戸歯学部, 講師 (60277473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 英作 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70050648)
鈴木 久仁博 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (30256903)
網干 博文 日本大学, 歯学部, 講師 (60212560)
近藤 信太郎 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (60186848)
山下 真幸 獨協医科大学, 医学部, 助教 (80255009)
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Keywords | 下顎隆起 / 現代日本人 / 縄文時代人 / 鎌倉時代人 / 近代日本人 / 咀嚼力 / 遺伝率 / 現代日本人双子 |
Research Abstract |
縄文人105個体、鎌倉時代人90個体、近代日本人105個体における下顎隆起の出現頻度と形態を観察し、環境因子(歯数、歯の位置異常の程度、咬耗量)との相関について考察した。触診で認められる下顎隆起の出現頻度は、縄文人で83.5%、鎌倉時代人で62.3%、近代日本人で64.8%だった。肉眼で認められる下顎隆起の出現頻度は、縄文人で70.1%、鎌倉時代人で18.2%、近代日本人で22.0%だった。下顎隆起のクラス別出現頻度に関しては、縄文人と鎌倉時代人、および縄文人と近代日本人の間で有意差が認められた。鎌倉時代人と近代日本人における下顎隆起の最好発部位は第一小臼歯部だったが、縄文人における最好発部位は、より遠心の第二小臼歯部だった。下顎隆起の出現部位に関しては、縄文人と鎌倉時代人、および縄文人と近代日本人の間で有意差が認められた。縄文人において、下顎隆起のサイズと咬耗量の間に正の相関が認められ、鎌倉時代人においては、下顎隆起のクラスおよびサイズと咬耗量の間に正の相関が認められた。咬耗量が多い個体は、顎骨や歯に多大な負荷を受けたか、または長期的に負荷が加えられたと推察できることから、顎骨にかかる負荷が下顎隆起を増大させる原因の一つと考えられた。また、下顎隆起の出現頻度が高くなる原因の一つとして、遺伝的要因も考えられた。 現代日本人における調査結果からも,下顎隆起の発達と咀嚼力の間に正の相関があるという仮説が示されている。そこでこの仮説を検証するために、下顎骨の組織学的分析および力学的分析を開始した。資料として、解剖遺体の下顎骨の収集を行った。さらに下顎骨2個体について,マイクロCTによる撮影を行った。 また,現代日本人双子250個体の歯列模型の調査を行い、10歳代における下顎隆起の出現状況,下顎隆起の出現頻度の年代差,および下顎隆起の遺伝率を解明するための基礎データを収集した。
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Research Products
(5 results)