2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570223
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
五十嵐 由里子 Nihon University, 松戸歯学部, 講師 (60277473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 英作 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70050648)
鈴木 久仁博 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (30256903)
網干 博文 日本大学, 歯学部, 講師 (60212560)
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Keywords | 下顎隆起 / 古人骨 / 環境因子 / 遺伝因子 / 骨密度 / 生体力学 / 下顎骨内部構築 |
Research Abstract |
(1)現代人歯列石膏模型(男性152個体,女性148個体、年齢は9歳から19歳)を用いて、下顎隆起の出現頻度の年齢変化を調べた。その結果、触診でわかる下顎隆起を持つ人の割合も、肉眼でわかる下顎隆起を持つ個体の割合も、年齢と共に有意に上昇し,19歳では,触診で見られる下顎隆起を持つ個体の割合は78%,肉眼で見られる下顎隆起を持つ個体の割合は,60%になった。発達した下顎隆起は16歳以上で現れ,やはり年齢と共にその割合が高まることがわかった。特に16歳以上で、下顎隆起を持つ人の割合は、急激に有意に高くなることもわかった。 (2)現代日本人双生児の上下顎歯列石膏模型(一卵性:合計143組、男子75組、女子68組、二卵性:合計95組、男子33組、女子32組、男女の組30組)を用いて、下顎隆起の出現状況と遺伝因子の相関を調べた。その結果、下顎隆起の出現には、遺伝因子が関わっていることは明らかにできなかった。ただし今回の結果は、資料が若年個体に限られていたことが影響している可能性がある。 (3)古人骨標本を用いて、先史日本列島人における下顎隆起の出現状況の時代変化を調べた。資料は、縄文時代人骨241個体、古墳時代人骨98個体、鎌倉時代人骨69個体、室町時代人骨41個体、江戸時代人骨183個体、近代人骨140個体、現代人上下顎石膏模型329個体である。その結果、触診でわかる下顎隆起の出現頻度も、肉眼でわかる下顎隆起の出現頻度も、発達した下顎隆起の出現頻度も、縄文時代から近代にかけて、徐々に低下している。ところが、現代では、出現頻度が再び上昇し、発達した下顎隆起の出現頻度が、最も高いことがわかった。 (4)下顎骨の内部構築が下顎骨に及ぼす力学的影響を明らかにするために、縄文時代人および、近代日本人の下顎骨のCT撮影を開始した。
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Research Products
(1 results)