2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢女性のインターネット使用に及ぼす生理・心理的要因の研究
Project/Area Number |
18570225
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
佐藤 望 Kinki University, 理工学部, 講師 (60268472)
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Keywords | テクノ・アダプタビリティ / インターネット / 高齢者 / 女性 |
Research Abstract |
本研究は高齢女性におけるインターネット利用を阻害する生理・心理的要因を抽出し、その要因を解消するための方策を提案することにより、高齢女性におけるテクノ・アダプタビリティを高め、QOLの向上に寄与することを目的としている。平成18年度には60歳以上の女性高齢者20名を被験者として3種類の実験を行っており、今年度は30〜40歳代の女性20名を対象として同様の手続きで実験を行い、昨年度得られた結果との比較を行った。 実験1ではマウスの操作特性を明らかにするために位置決め課題を実施した。この課題ではマウスを用いてコンピュータモニタ上に出現するターゲット図形をポインティングしてもらった。その結果、高齢者群の方が課題時の筋負担が高く、また、関節角度が大きく変化している部位が認められ、マウス操作において身体的負担が高くなっている傾向があることが示唆された。また、ポインティング時間も高齢者群の方が長くなっていることが明らかとなった。 実験2ではコンピュータモニタ上の情報獲得における視覚特性を明らかにするために視覚探索課題を実施した。モニタ中央部にターゲットとなる数字を呈示し、ターゲットが消えた後、モニタの上下左右、左斜上・下、右斜上・下の8箇所に異なる数字を呈示した。被験者にはマウスを用いてターゲットの有無を判定してもらった。その結果、高齢者群の方がターゲット検出時間が長くなることが示唆された。 実験3ではWebサイト閲覧時の心理的特性を明らかにするために3種類のWebサイトを閲覧してもらい、設定されたシナリオに沿って指示されたページを開くタスクを遂行してもらった。その結果、高齢者群の方がタスク遂行時間が長くなることが明らかとなった。また、発話プロトコルの内容から、高齢者群の方が解かり辛い用語や見辛い画面といった要因によってタスク遂行が妨げられる可能性が示唆された。
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