2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢女性のインターネット使用に及ぼす生理・心理的要因の研究
Project/Area Number |
18570225
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
佐藤 望 Kinki University, 理工学部, 准教授 (60268472)
|
Keywords | 高齢者 / 女性 / 人間生活環境 / インターネット / 人間工学 |
Research Abstract |
高齢女性におけるインターネット利用率が低値に留まっている背景要因を明らかにするために、平成18〜19年度の実験室実験に加え平成20年度はフォーカスグループインタビューを実施した。対象者はパーソナルコンピュータやインターネットの使用経験が全くない、あるいは殆どない65歳〜75歳の女性17名であった。対象者17名を6名×2組、5名×1組のグループに分け、各グループに対して約1時間のインタビューを実施した。質問項目として、パーソナルコンピュータやインターネットに対するイメージ、関心の程度、興味を持っている利用方法、パーソナルコンピュータやインターネットを使う機会がなかった理由などに関する項目を設定し回答してもらった。発話内容はボイスレコーダに記録し、同時にビデオテープによる記録も行った。発話記録はテキスト化し、その内容を生理的側面、心理的側面、社会的側面、その他、に分類・コード化した。分析の結果、インターネット使用時に悪質なサイトに接続してしまうといったセキュリティ面への不安に関する発言が最も多く認められ、新たに複雑な使用方法を学習し、身につける自信がないといった諦めに関する発言も多く認められた。また、閲覧時にどのページに遷移しているのかがわからなくなってしまう、専門用語がわからないといった発言も認められた。パーソナルコンピュータやインターネットの講習を受ける機会などがあれば、時間をかけて学習し、使いこなしてみたいという態度を有している対象者がいる一方、日常生活において必要不可欠な物ではなく、使用できなくても特に不便さを感じないとの発言も少なからず認められた。
|