2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580003
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
草場 信 The University of Tokyo, 農学生命科学研究科, 准教授 (20370653)
|
Keywords | イネ / 胚発生 / 突然変異体 |
Research Abstract |
イネにおける胚発生のメカにズムを探求するために、胚発生のパターン形成に異常が見られる突然変異体、特に胚において器官数に増加が見られるものの解析を行った。multiple shoot 1 (msh1)は完成胚において器官数が増加する突然変異体である。しかしながら、受粉後7日目までの胚を観察しても、野生型と明確に区別できる個体はなかった。受粉後10日目には形態的に野生型と区別できる胚が現れた。他の器官増加型突然変異体同様に野生型よりも発生が遅くなっていた。また、胚盤上皮の細胞は柵状になっていなかった。胚の大きさは野生型よりも小さかった。受粉後13日目にはシュートが基部側を向き、背側基部に大きく拡大した領域が見られた。この領域には異所的な器官は見られなかった。このように、msh1は発生の初期には正常な器官分化パターンを構築することが判明した。受粉後13日目までに背側基部の拡大が認められたが、そこに異所的な器官は観察されなかった。異所的な器官は受粉後13日目以降に形成されるものと思われる。msh1の原因遺伝子単離を目指し、インド稲カサラースとのF2種子を用いて解析をmsh1のマッピングを行った。706染色体について連鎖解析を行ったところ、第8染色体の54cM付近にマップされることが分かったが、この領域は動原体に極めて近い位置にあり、遺伝子単離は非常に難しいことが予想された。今後の遺伝子単離には通常のマッピングとは異なるアプローチが必要かもしれない。
|
Research Products
(1 results)