2006 Fiscal Year Annual Research Report
バレイショにおける倍数性の科学(異質6倍体ゲノムの分解)
Project/Area Number |
18580005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
保坂 和良 神戸大学, 農学部, 教授 (60222428)
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Keywords | 育種学 / 遺伝学 / バレイショ / ゲノム / 倍数性 / 青枯病 |
Research Abstract |
バレイショ野生6倍種Solanum demissumの25系統群それぞれから3〜5個体の植物体を育成し、合計112個体について自家授粉(計433花)を行ったところ、403の果実を得た(自殖率=93.1%)。また、110個体に普通バレイショ品種「長系126号」を花粉親として交配すると(計488花)、395の果実が得られた(交雑成功率=80.9%)。雑種種子の平均種子重量は0.98mgで、S. demissumの自殖種子(0.39mg)や「長系126号」の自殖種子(0.49mg)、あるいは逆交雑による種子(0.35mg)に比べ異常に大きく、胚乳の初期発育に関与していると考えられているEBN(Endosperm Balance Number)に何らかの異常を生じていることが示唆された。 青枯病抵抗性検定に用いる菌株を選抜するため、青枯症状を呈したバレイショ3個体よりRalstonia solanacearum3菌株を分離した。これから、シードリングバイオアッセイチャンバー法において、発芽直後の「Desiree」×「長系126号」の雑種個体群(対照個体群・既存品種中で最も高い抵抗性を示す)に対し最も高い発病株率(70%以上)を示したHAIP1-6菌株を選抜した。この検定条件で、交雑試験に用いた25系統群のS. demissum(親系統)および系統群当たり1個体から得られた自殖種子(子系統)を用いて青枯病に対する抵抗性を評価したところ、親子世代のいずれでも発病株率が低いのは1系統群のみであった。この抵抗性系統群と「長系126号」の雑種個体について同様の検定条件下で選抜した結果、2個体が高度抵抗性個体として得られた。
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