2007 Fiscal Year Annual Research Report
サヤダイコンの低温発芽性制御の遺伝的メカニズム解析
Project/Area Number |
18580008
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
野村 和成 Nihon University, 生物資源科学部, 教授 (90139048)
|
Keywords | 育種学 / 遺伝資源 / ストレス耐性 / 量的形質 |
Research Abstract |
分子マーカーによる連鎖地図を作成し,パッキフッドを特徴づける形質に関するQTL解析を行った. RAPDマーカー104,SCARマーカー15を用いてMAPMAKER3.0bによる連鎖地図を作成した.各個体からそれぞれ10莢を無作為にサンプリングし,莢長および一莢粒数を測定した.F_3種子の3℃における発芽率の25℃における発芽率に対する比の逆正弦変換値をF_2各個体の低温発芽性程度とした.QTL解析にはQGene ver3.06を用いた. 低温発芽性程度はPK1で0.81と高く,GSK3-1で0.02と低い値を示した.F_1は0.18でGSK3-1に近い値を示した.平均莢長はPK1で10.9cm,GSK3-1で4.3cmであった.F_1の平均莢長は5.0cmでGSK3-1に近い値を示した.F_2における莢長の分布は,ピークが2ヶ所にみられた.一莢粒数の平均はPK1が6.2粒,GSK3-1が4.0粒であり,F_1は5.3粒と両親の中間的な値を示した.9連鎖群(LG1〜9)からなる連鎖地図が得られた.全長は1469.9cM,平均マーカー間距離は13.6cMであった.低温発芽性については,LG1に2ヶ所,LG5に2ヶ所,LG8にLOD値2.5以上の有意なQTLs(qLTG1〜5)が認められた.表現型変異に対する寄与率はそれぞれ11.2%,9.6%,10.9%,10.7%ならびに8.5%であった.qLTG2はGSK3-1の,それ以外のQTLsはPK1の対立遺伝子が低温発芽性を高める効果を示した.莢長については,LG7に2ヶ所,LG9に1ヶ所のQTLs(qLP1〜3)が認められた.寄与率はそれぞれ8.3%,8.7%ならびに7.9%であった.これら3つのQTLsはいずれもPK1の対立遺伝子が莢を長くする効果を示した.一莢粒数については,LG3に1ヶ所とLG5に1ヶ所にQTLs(qNSP1,2)が認められた.寄与率はそれぞれ8.9%,15.9%であった.qNSP1はGSK3-1の,qNSP2はPK1の対立遺伝子が粒数を増やす効果を示した.
|
Research Products
(7 results)