2006 Fiscal Year Annual Research Report
優良形質遺伝子と連鎖したDNAマーカーの高集積系統育成方式の構築
Project/Area Number |
18580009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
米澤 勝衛 京都産業大学, 工学部, 教授 (90026542)
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Keywords | DNAマーカー / 遺伝子集積系統 / 交配方式 / 選抜方式 / 植物育種 / 品種育成 |
Research Abstract |
有用な形質遺伝子と密接に連鎖するDNAマーカーが近年次々に見つかっている。これらの有用マーカーは通常別々の系統に存在するが、ひとつの系統に集積しておけば育種的な利用価値が格段に増す。有用マーカーの高度集積系統を構築するための効率的な交配・選抜方式を検討し、本年度は以下の結果を得た。 高度集積系統を構築するには、まず、集積対象マーカーを保有するドナー系統を交配してこれらのマーカーをすべてヘテロの形でもつ系統を育成する必要がある。マーカーを特定の受容系統のゲノム(遺伝背景)上に集積する場合、そのために必要な戻し交配は、ドナー系統間の交配でマーカーをひとつの系統に集積した後に行うよりも、個々の系統ごとに先に行っておくほうがはるかに効率的である。戻し交配を施した後の各系統から、目的マーカーをひとつの系統に集積するための交配は、できるだけ対称的なパターンで行うのがよい。例えば、4つのドナー系統A、B、C、Dがあって、AとBがもつマーカーの合計数とCとDがもつマーカーの合計数が等しいとすれば、交配は(A×B)×(C×D)の形で進めるのがよい。本研究ではドナー系統数が4つから8つある場合について、最適な交配パターンを示した。特定の受容ゲノムが無く戻し交配が不要の場合は、直列的な交配パターン、すなわち、目的マーカーの保有数が少ないドナー系統から順繰りに交配して行く方式がよい。連鎖するマーカーがある場合は、相反連鎖を生じさせる交配がなるべく早い段階に、しかも起こる回数が最少となるようにドナー系統間の交配パターンを補正する必要がある。複数個のドナー系統に重複して保有されるマーカーがある場合の補正についても検討を加えた。
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Research Products
(5 results)