2007 Fiscal Year Annual Research Report
CDK活性化キナーゼによるサツマイモの塊根形成制御に関する研究
Project/Area Number |
18580016
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
斉藤 和幸 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 准教授 (00215534)
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Keywords | サツマイモ / 塊根形成 / CDK活性化キノーゼ / 遺伝子発見 |
Research Abstract |
サツマイモの不定根が塊根へ発達するためには細胞増殖によって細胞数を増加させる必要がある。サイクリン依存性キナーゼA(CD漁)は活性化されると細胞周期の進行を促進する。CDKAはK活性化キナーゼによって活性化され、CDK活性化キナーゼはサイクリンHによって活性化される。本研究ではCDK活性化キナーゼとサイクリンH遺伝子の発現調節と塊根形成について検討した。CDK活性化キナーゼ遺伝子の発現は全ての器官で認められたが、塊根での発現レベルは最も低かった。サイクリンH遺伝子の発現も全ての器官で認められたが、器官による発現レベルの差は小さかった。また、塊根に発達する根では転流物質であるスクロース、アブシジン酸及びサイトカイニンのレベルが高まる。そこで、CDK活性化キナーゼとサイクゾンH遺伝子の発現に及ぼすスクロース、アブシジン酸及びサイトカイニンの影響について検討した。CDK活性化キナーゼ遺伝子の発現はスクロースによって誘導されたが、サイクリンH遺伝子の発現に及ぼすスクロースの影響は小さかった。更に、CDK活性化キナーゼ遺伝子の発現はアブシジン酸によっても誘導されたが、サイクリンH遺伝子の発現に及ぼす影響は小さかった、一方、CDK活性化キナーゼ遺伝子の発現はサイトカイニンによって抑制されたが、サイクリンH遺伝子の発現はサイトカイニンによって誘導された。しかし、サイトカイニンによるCDK活性化キナーゼ遺伝子の発現抑制はスクロースによって解除され、サイクリンH遺伝子はスクロースとサイトカイニンが共存することにより発現レベルが大きく高まった。以上の結果より、スクロース、アブシジン酸及びサイトカイニンのレベルによってCDK活性化キナーゼ遺伝子の発現レベルが調節され、細胞増殖が制御されていることが示唆された。
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Research Products
(7 results)