2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580019
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
廣瀬 竜郎 National Agricultural Research Organization, 中央農業総合研究センター・稲収量性研究北陸サブチーム, 主任研究員 (90355579)
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Keywords | イネ / 葉鞘 / デンプン / 代謝 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、イネの茎葉部(葉鞘および稈)における炭水化物転流の分子機構を解明するため、茎葉部の主要な蓄積炭水化物であるデンプンの分解過程に注目し、以下のような研究を行った。 1.イネ(品種:日本晴)の止葉下第1葉鞘のデンプン含量は、出穂前に上昇し、出穂後には低下するが、この出穂後のデンプン含量の低下にともなって、デンプン分解系酵素(α-およびβ-アミラーゼ)の活性が上昇することがわかった。α-アミラーゼは出穂直後に活性が上昇し、その後も高いレベルを維持したが、β-アミラーゼは出穂直前から上昇をはじめ、出穂後は徐々に活性が低下した。こうした活性の変化とネイティブPAGE法による活性染色パターンのから、両酵素の活性の変化はアイソザイム数の増減をともなうものではなく、同じアイソザイムの活性の変化によるものと推測された。 2.イネゲノムにおいて、α-アミラーゼは10個、β-アミラーゼは8個の遺伝子からなる遺伝子ファミリーを形成していることを解明し、出穂期葉鞘におけるこれら遺伝子の発現レベルをリアルタイムPCR法によって定量的に解析した。その結果、α-アミラーゼではRamy4A(0s08g0473600)、β-アミラーゼではBA101(0s10g0465700)の発現レベルがもっとも高く、かつ活性の変化と類似した発現パターンを示したので、これらが出穂期の葉鞘におけるデンプン分解に関与していると推測された。
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