2007 Fiscal Year Annual Research Report
木部通水機能の評価による接ぎ木親和なわい性台木系統の選抜とわい化機構の究明
Project/Area Number |
18580032
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
中野 幹夫 Kyoto Prefectural University, 農学研究科, 准教授 (10093692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本杉 日野 京都府立大学, 農学研究科, 准教授 (10182172)
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Keywords | わい性台木 / 接ぎ木親和性 / モモ / ブドウ / 通水機能 / ひずみ計 / 樹液流速 / 水ストレス |
Research Abstract |
露地植えのユスラウメ実生個体群については、台木の栄養繁殖をはかり、接ぎ木を行って繁殖率や生育の良否を計測し、接ぎ木部の形態を観察している。また、水ストレスを与えた前後の通水性の良否をひずみセンサーによって計測し、幹径回復率を算出し、台木の選抜を進めている。 'おはつもも'実生1年生樹を用いて、通水機能の計測におけるひずみセンサーの有用性を確認した。人工気象室において、'おはつもも'の幹径とひずみ、および樹液流速は、水ストレスが強くなると低下し、再かん水による土壌水分の増加やランプ点灯数による光強度の増加に反応して回復した。既存のユスラウメ選抜台木とそれに接ぎ木した親和性の異なるモモ3品種(親和性の良い順に'白鳳'、'紅清水'、'天女')の鉢植え樹を用いて、かん水管理による水ストレス前後の樹液流速、幹径および幹のひずみ、木部水ポテンシャル、日射強度、土壌水分、鉢の重量を経時的に計測した。土壌水分が豊富なとき、'天女'の樹液流速は他の2品種より劣った。再かん水による幹径の回復も'天女'が劣った。再かん水日をはさんだ3日間の木部水ポテンシャルと幹径の変位や幹のひずみは類似した経時変化を示し、これらの値の間には高い相関関係があった。以上のことから、接ぎ木親和性は木部通水機能と密接に関係しており、幹の径やひずみを指標として台木を選抜することが可能であると確認された。 ブドウ台木においては、'リパリア・グロアール'の四倍体台木に接いだ'巨峰'は既存の二倍体台木樹よりも木部水ポテンシャルが小さく、新梢の断面積あたり、および根の重量あたりの通水速度が小さく、果実の着色が優れた。このことから、プルヌスと同様に、ブドウにおいても通水機能の計測によって優良なわい性台木の選抜が可能であると確認された。
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Research Products
(2 results)