2006 Fiscal Year Annual Research Report
近代数寄空間の成立要因に関する研究-日本の近代庭園にみる煎茶的文化とその地域性
Project/Area Number |
18580035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University of Art and Design |
Principal Investigator |
尼崎 博正 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (50141502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 後楽 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (50351359)
麓 和善 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80238659)
矢ヶ崎 善太郎 京都工芸繊維大学, 大学院工芸科学研究科, 助教授 (90314301)
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Keywords | 近代庭園 / 煎茶 / 近代数寄空間 |
Research Abstract |
・煎茶書の類を収集し、内容の検討と煎茶空間の特質についての考察を行った。その際、煎茶文化史研究者から専門的知識の提供を受け、理解を深めた。 ・収集済みの煎茶図録に関して、その史料性を検討しリスト化した。未収集の煎茶図録に関しては、所蔵図書館等において史料性を検討した上でコピーを入手し、リスト化した。これらのうち、空間的特質の考察・分析に必要と思われる図録についてはデータベース化を進めた。図録の収集およびデータベース化の作業は現在も進行中である。 ・日本の近代に成立した数寄空間について、既往の研究および調査報告書等を調査し、所在の立地条件と特徴、大工・作庭者、そこで行われた文化的行為及び空間的特質、造形的特質などについて整理・分析した。また、全国に存在する近代の数寄空間を、明らかに煎茶のためにつくられた庭と建築、あるいは煎茶会が行われるなどして煎茶文化との関わりが深い庭と建築、など、煎茶文化との関わりの度合いについて考察し、それぞれを分類・整理した。これらの結果を日本地図上に整理し、煎茶文化の浸透度合の地域性を考察するための資料を作成した。 ・日本における煎茶文化の伝播ルートとして想定されるルートのうち、本年度は九州・瀬戸内海ルート及び近畿地方について、既往研究等から近代庭園の存在と立地を確認し、現地調査を行った。調査対象地は続木家(熊本市)旧高取家(佐賀県唐津市)、麻生本家(福岡県飯塚市)、郭邸(和歌山市)、柴田家(滋賀県長浜市)ほかである。現地調査では、関連史料の収集と聞き取り、および写真撮影等を行い、考察のための資料を作成した。
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Research Products
(8 results)