2007 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルネットワークモデルを用いた多年生草本観賞植物の群落光合成特性の解析
Project/Area Number |
18580038
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
稲本 勝彦 National Agricultural Research Organization, 東北農業研究センター・寒冷地野菜花き研究チーム, 主任研究員 (50223235)
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Keywords | ユリ / シクラメン / リンドウ / 光合成 / 呼吸 / 温度 / 生育段階 / ニューラルネットワーク |
Research Abstract |
温度・光量を調節可能な無色透明アクリル製の開放型同化箱に1/5000aワグネルポットに植えたユリ、シクラメン、リンドウ植物を入れ、同化箱入口と出口の二酸化炭素濃度差、導入空気の流量から植物の個体光合成ならびに呼吸量を算出した。 (1)「シベリア」において、発芽時における光合成速度はきわめて低く、発蕾時に著しく高くなった。その後、開花時には光合成速度がさらに増加した。光補償点のPPFは発芽時にきわめて高く、発蕾時に低くなったが、開花時にはやや高くなった。 (2)同じく「シベリア」において、3つの生育段階ともに光合成の最大値は20℃で示された。発芽時においては、30℃以上で光合成速度が負の値となった。開花時の光合成速度は、発蕾時と比較して最大値は大きかったが、温度の上昇に伴う光合成速度の低下の割合が大きく、30℃近辺ではほぼ同等となった。これは、花器の呼吸が大きく関与しているためと考えられた。 (3)種類別に光合成特性を評価したところ、一部を除いて個体光合成速度の光補償点ならびに最大光合成の80%となる光量は発蕾時より開花時で低くなる傾向がみられた。個体光合成速度が最大となる温度は18〜23℃となるものが多かった。 (4)シクラメン、リンドウともににおける光合成の極大は20℃周辺であった。 (5)得られた環境データと光合成に関するデータをニューラルネットワークモデル作成のソフトウェアであるNEUROSIMに入力し、モデル作成を試みた。同一品種、同一生育段階におけるモデルは比較的容易に作成できた。しかし、品種間、生育段階間をまたがるモデルは収束が困難であり、パラメータの取捨、中間層の数、学習定数についての検討等がさらに必要である。
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Research Products
(1 results)