2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580042
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
玉田 哲男 Okayama University, 資源生物科学研究所, 非常勤研究員 (10281156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 秀樹 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教 (40263628)
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Keywords | Beet necrotic yellow vein virus / Polymyxa betae / 菌伝搬性 / GFP標識ウイルス / テンサイ |
Research Abstract |
1、媒介菌P.betaeによるGFP標識ウイルスの伝搬試験 GFP標識ウイルスはウイルスの移行、増殖を可視的に観察できる有力な武器である。本試験では、媒介菌P.betaeによる伝搬機構を調べるため、2種のGFP標識ウイルス(リードスルー領域のN端側とC端側)を構築した。これらをNicotiana benthamianaとBeta macrocarpaに接種し、ウイルスフリーのP.betaeを用いてウイルスの獲得実験を行ったが、いずれのGFP標識ウイルスもP.betaeによって伝搬されなかった。GFPが菌伝搬に必須なリードスルー領域に影響を与えたものと推定されたため、RNA3レプリコンにGFPを挿入して、野生型RNA1とRNA2とともに共接種したところ、根におけるGFPの発現は低くかった。このウイルスはP.betaeよって伝搬されたにも拘らず、GFPの蛍光は観察されなかった。従って、当初の目的であるGFP標識ウイルスを用いたP.betaeのウイルス獲得、感染実験は不成功に終わった。 2、BNYVVの病原性タンパク質p25の機能解析 BNYVVのp25タンパク質は、感受性植物では病徴発現に抵抗性植物では抵抗性の誘導に関与すること、およびこのp25タンパク質の68番目のアミノ酸残基が抵抗性の品種特異性を決定していることを明らかにしている。本研究では、さらに抵抗性反応の発現に必要な2カ所(70と179番目)のアミノ酸残基を同定した。一方、抵抗性反応を示す接種葉では、ウイルスの蓄積が著しく抑制されたが、媒介菌で接種された根では、ウイルスの蓄積の低下はみられなかった。すなわち、汁液接種による葉の反応と媒介菌接種による根では、ウイルスに対する反応が異なることがわかった。GFP標識ウイルスを用いて抵抗性反応を細胞レベルで解析した結果、接種後2-4日にGFP蛍光が数細胞から数十細胞に局在し、感染細胞に異変が観察された。
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