2008 Fiscal Year Annual Research Report
カリフラワーモザイクウイルス多機能性封入体蛋白質が持つ感染拡大機能の分子機構
Project/Area Number |
18580047
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Research Institution | Iwate Biotechnology Research Center |
Principal Investigator |
小林 括平 Iwate Biotechnology Research Center, 生命科学研究部, 主任研究員 (40244587)
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Keywords | 植物 / ウイルス / 病原性 / 抵抗性 / 全身感染 / 変異体 |
Research Abstract |
植物ウイルス感染拡大の分子機構を明らかにすることは,植物ウイルス病防除戦略の確立に重要である.これまでに,カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の多機能性封入体蛋白質(Tav)がCaMVの感染拡大に重要な役割を果たすことを明らかにした.本研究では,Tav変異体の弱毒性を抑圧する宿主変異体を単離し,感染拡大抑制機能に関わる宿主遺伝子を同定することを目的とする.本年度は、平成18年度から進めているエチルメタンスルホン酸誘発突然変異アラビドプシス(Co1エコタイプ)M2集団のスクリーニングで得られた,全身感染能がほぼ完全に失ったTav欠失変異CaMV(TavD23-CaMV)に全身感染を許容する宿主変異体について遺伝解析を行った.約4100個体のM2集団から56の上位ロゼット葉に感染が広がった個体を選抜し,それらの自殖後代について組織化学的検出法を用いた第二次スクリーニングを行った.各系統8〜9個体にTavD2-CaMVを接種し、全ロゼット葉をハンマーブロッティング免疫染色法によって解析したところ,上位葉への高率での感染拡大が認められた系統は11系統であった.そのうち1系統,F12では,明確な病徴が観察され,TavD23-CaMVによる全身感染を許容した。この性質はアラビドプシスLerエコタイプとのF1はTavD23-CaMVに抵抗性を示し、F2では抵抗性と感受性が3:1に分離したことから一遺伝子劣性変異に起因すると考えられた.以上の結果から,F12変異はTavD23-CaMVによる全身感染を抑制する遺伝子の変異であり,その原因遺伝子は野生型ウイルスでは抑制されている感染拡大抑制能を担うものと考えられる.現在,F12変異のマッピングを実施している.
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