2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580057
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
塩月 孝博 National Institute of Agrobiological Sciences, 昆虫科学研究領域・制御剤標的遺伝子研究ユニット, 主任研究員 (80355734)
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Keywords | Rasタンパク質 / カイコ / 遺伝子発現解析 / 昆虫成長 / 脂質修飾 |
Research Abstract |
タンパク質の機能発現のための修飾には、リン酸化や糖鎖修飾の他に脂質修飾がある。その一つとしてプレニル化が知られ、炭素鎖のユニット数の違いからファルネシル化とゲラニルゲラニル化の2種がある。シグナル伝達に関与するタンパク質の多くはプレニル化されており、Rasタンパク質のファルネシル化の重要性が良く知られている。哺乳動物ではH-、N-、K-の3種のRasがあり、ファルネシル化等の脂質修飾を受けている。昨年クローニングされた3種のカイコRasについて、そのタンパク質のプレニル化について解析した。 カイコRasは、プレニル化を指令するCAAXモチーフの配列パターンから、いずれもゲラニルゲラニル化されると推定された。そこでN末端にFlag-tagを導入したカイコRas cDNAを作製し、プレニル化の特異的阻害剤(FTI、GGTI)を用いて、昆虫細胞由来無細胞タンパク質合成系および、バキュロウイルス(カイコ核多角体ウイルス)発現系における代謝標識により、カイコRasのタンパク質プレニル化を検討した。その結果、3種のカイコRas(BmRas1、2、3)はいずれもゲラニルゲラニル化されることが確かめられた。 また、Rasタンパク質を蛍光タンパク質GFPと融合タンパク質として昆虫培養細胞に発現させたところ、GFPのみを発現させた場合には細胞内にほぼ均一に存在していたのに対し、融合タンパク質では細胞膜に局在化することが分かった。
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