2006 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物のガンマーグルタミルトランスフェラーゼとグルタチオン類の異化
Project/Area Number |
18580060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
關谷 次郎 京都学園大学, バイオ環境学部, 教授 (10035123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
プリエト ラファエル 京都学園大学, バイオ環境学部, 講師 (40434659)
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Keywords | γ-グルタミルトランスフェラーゼ / GGT局在性 / GGT破壊変異株 / 可溶性GGT / ヘテロダイマーGGT |
Research Abstract |
1.ダイコン子葉のプロトプラストから液胞等を調製して可溶性GGT(γ-グルタミルトランスフェラーゼ)の細胞内局在性を検討すると、GGTの大部分が液胞に局在することが判明した。そこでGSHをin vivo蛍光標識する方法で、GSHの異化に対するアシビシン(GGT阻害剤)の影響を検討したところ、GGTがGSHや抱合体(GSX)の異化に関与していることが示された。GSXは細胞質で生成後、液胞に輸送され、本研究ではじめて液胞局在性が確認されたGGTによって異化する系が提唱される。 2.ダイコンの結合型GGTのcDNAのクローニングおよびシロイヌナズナの推定cDNAを酵母で発現させようとしたが、発現に成功していない。またシロイヌナズナのcDNAでタバコの形質転換を試みたが、得られたタバコからは相当するDNAが検出されなかった。 3.ダイコンのヘテロダイマー型GGTをコードすると推定される3種類のcDNA(RsGGT-1,2,3)で形質添加したタバコを得た。RsGGT-1と2で形質転換したタバコでは結合型GGT活性が2.5〜16倍活性が上昇した。可溶型GGTは変化しなかった。しかしRsGGT-3による形質転換体は活性の上昇は全く観察されなかった。 4.AtGGT-1,2,3が破壊されたシロイヌナズナの変異株を入手し、解析した。これらの破壊変異株はいずれも予想されたGGTの遺伝子が破壊されており、トランスクリプトも検出されなかった。AtGGT-1では結合型GGT活性が失われていたが、AtGGT-2では可溶型酵素活性が減少していた。またAtGGT-3株の酵素活性は変化していなかった。AtGGT-1株と野生株のロゼット葉中のGSH量には差がなかったが、GSH合成阻害剤であるBSOを投与すると、AtGGT-1変異株のGSH量は野生株に比べて多く、また変異株のシステイン量は少なかった。
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