2006 Fiscal Year Annual Research Report
微生物モデルによる動物型細胞質分裂の分子機構解明とその応用
Project/Area Number |
18580069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
足立 博之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (00211699)
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Keywords | 微生物 / 細胞質分裂 / 細胞性粘菌 |
Research Abstract |
細胞分裂は生命の本質に関わる現象であり、その分子機構解明は、生物学の重要な課題の一つであるとともに、制ガン剤の開発など応用面においても重要である。本研究では、細胞分裂過程のうち細胞質分裂に焦点を絞って分子機構解析を行っている。細胞質分裂の分子機構は、動物・微生物の細胞と植物細胞で大きく異なっているが、ヒトなど高等動物の細胞を含む動物型の細胞質分裂の分子機構を、細胞壁を持たず高等動物細胞と酷似した様式・機構により分裂する真核微生物、細胞性粘菌の単細胞アメーバをモデルとして解明している。具体的には、研究代表者らが細胞質分裂に関わることを既に見出しているIQGAP様タンパク質GAPA、新規タンパク質D411-2p等数種の細胞性粘菌のタンパク質分子について、その生理機能、生化学的機能、物理的及び遺伝学的相互作用をそれぞれのタンパク質の研究の進捗状況に応じて解析している。本年度の主要な成果は、第一に、GFP-GAPAを高発現する細胞の粗抽出液からGFP抗体を用いてGAPAと共沈するタンパク質を見いだし、peptide mass fingerprinting (PMF)により候補分子を絞り込んだこと、第二に、D411-2pと細胞骨格との相互作用を生化学的に証明したことである。第一の成果については、次年度でその候補タンパク質との相互作用を生化学的手法と酵母two-hybrid法を用いて直接解析することで、第二の成果については、次年度でGFP-D411-2pを細胞性粘菌細胞から精製し、D411-2pの細胞骨格に対する作用をより詳細に明らかにすることで、よりその成果を発展させる予定である。
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