2006 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族化合物分解好熱菌の代謝酵素群のネットワーク形成に関する研究
Project/Area Number |
18580077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金原 和秀 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (30225122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 富佐子 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (60118007)
谷 明生 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (00335621)
清水 頼子 岡山大学, 資源生物科学研究所, 技術職員 (70379808)
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Keywords | ナフタレン / 微生物分解 / 好熱性細菌 / 代謝産物 / プロテオミクス |
Research Abstract |
本研究は、コンポストから単離されたビフェニル/ナフタレン分解好熱性細菌、Bacillus sp.JF8株の解析を目的とした。ナフタレン/ビフェニルを分解できる好熱菌は単離された例がなく、分解酵素遺伝子群の進化と分解酵素の耐熱性に新たな知見が見いだされるものと期待される。まず、ナフタレン分解上流経路酵素遺伝子群を詳細に解析するため、ナフタ・レン分解酵素の一つであるcis-naphthalene dihydrodiol dehydrogenase (NahB)を精製し、NahBをコードする遺伝子断片を単離した。相同性解析の結果、NahBは、既知の芳香族化合物代謝オペロン中の脱水素酵素とは異なる種類の脱水素酵素であることを明らかにした。RT-PCR解析より、nahBの上流にある初発酸化酵素をコードするnahAcがナフタレン誘導性であることが明らかになった。ナフタレン分解に関与すると考えられる遺伝子群が単離されたが、メタ開裂以降の代謝経路は明らかではない。そこで、ナフタレン分解下流経路酵素遺伝子群nahC、bphD-like (nahE)、dhyD (nahF)、mocA (nahH or nahG)を導入した大腸菌に、メタ開裂の基質である中間代謝産物1,2-dihydroxy naphthaleneを基質として与え、生成する代謝産物をGC/MSで追跡した。しかし、代謝産物を見出すには至らなかった。また、ナフタレンにより発現誘導されるタンパク質を解析するため、二次元電気泳動を用いたプロテオミクス解析を試みた。その結果、ナフタレンを与えた菌体で特異的に誘導されるタンパク質のスポットを得ることが出来た。得られたタンパク質を用いてMALDI TOF/MS解析を行ったが、ナフタレン分解関連酵素の同定には至らなかった。これは、得られたアミノ酸配列の情報が既知の情報と異なるためであると考えられた。
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