2007 Fiscal Year Annual Research Report
Eikenella corrodensのプラスミドが本菌の歯周病原性に及ぼす影響
Project/Area Number |
18580079
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
阿座上 弘行 Yamaguchi University, 農学部, 准教授 (40263850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 昭夫 山口大学, 名誉教授 (00035114)
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Keywords | 歯周病 / 組換え / Eikenella corrodens / バイオフィルム / 付着 |
Research Abstract |
歯周病原性細菌Eikenella corrodensがプラスミドpMU1上のリコンビナーゼによって線毛遺伝子特異的に組換えを起こすことで、二次元電気泳動のスポットが劇的に変化することから、ゲノム全体で大きな再編が起こっていることが示唆された。また、pMU1の遺伝子構成や配列がNeisseria属のゲノムへの感染、溶原化が報告されている線状ファージに高い相同性が見られることから、pMU1を口腔内での水平伝播により獲得することにより高病原化した可能性が示唆された(日本微生物生態学会、松山にて発表)。さらに、リコンビナーゼ遺伝子の導入により、溶血活性の上昇や口腔上皮細胞への付着能の増加が見られた。これは、以前報告したレクチン活性の上昇に伴うものと考えられる(日本農芸化学会、名古屋にて発表)。 また、カテキンやイソフラボンなどのポリフェノール類によって、本菌のバイオフィルム形成が抑制されることがわかった。その阻害効果から、本菌のバイオフィルム形成にはレクチン活性以外の因子が関わることが示唆された(日本生物工学会、東広島にて発表)。これらの知見は、リコンビナーゼの導入によるレクチン活性の上昇とバイオフィルム形成能との間の相関を示唆した。 今回の研究結果は、リコンビナーゼによるゲノムの再編が本菌の高病原化を引き起こすことを改めて示し、本研究の更なる遂行により歯周病の診断や治療へと応用できることが期待された。
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Research Products
(12 results)