2006 Fiscal Year Annual Research Report
標識化合物の酵素的合成と代謝研究による網羅的テルペノイド解析=テルペノ-ムの推進
Project/Area Number |
18580103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
川出 洋 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助手 (20291916)
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Keywords | テルペノイド / 生合成 / 酵素的合成 / 組換えタンパク質 / 安定同位体元素 / NMR / メバロン酸 / プレニル二リン酸 |
Research Abstract |
平成18年度の実験の推進から次のような結果および成果を得たので,以下に記す. メバロン酸からファルネシル二リン酸およびゲラニルゲラニル二リン酸合成に必要な5〜6種の酵素遺伝子をクローニングし,大腸菌内での組換えタンパク質の大量生産に成功した.Ni-NTAカラムにより得られた精製タンパク質は,2xYt培地200mlあたり0.5〜50mgであった.精製酵素を用いてカクテルを調製し,[U-^<13>C_6]メバロン酸から[U-^<13>C_<15>]ファルネシル二リン酸,[U-^<13>C_<20>]ゲラニルゲラニル二リン酸を合成した.これらは,GC-MS,LG-MS分析により確認した.特に,13C-NMRにおいて^<13>C-^<13>C二次元相関スペクトルを測定し,微量なサンプル量から容易に炭素骨格解析を可能とする実験系を確立できた.さらに,酢酸からメバロン酸までの合成反応を触媒する4つの酵素(アセチルCoA合成酵素,アセトアセチルCoA合成酵素,HMG-CoA合成酵素,HMG-CoA還元酵素)のcDNAをアカパンカビからクローニングし,組換え酵素生産と酵素カクテル調製により,99.9%[U-^<13>C_2]酢酸から99.9%[U-^<13>C_6]メバロン酸の合成にも成功した. アブシジン酸生産菌Botrytis cinereaを用いて,アブシジン酸生産培地(ポテト-スクロース-寒天培地)にメバスタチンとエルゴステロールまたはスクアレンを添加して,アブシジン酸(テルペノイド)フリーの菌体調製を行った.メバスタチン2x10^<-4>M処理で菌体の生育を完全に抑え,そこに200μgのエルゴステロールを添加することにより完全に生育を回復させた.このようにして得られた菌体は,二次代謝系テルペノイドフリーの状態であることが確かめられたので,次年度に標識メバロン酸の投与により[U-^<13>C_<15>]アブシジン酸の生産のチェックと中間体の分析を行う.
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