2007 Fiscal Year Annual Research Report
化学合成糖タンパク質のインビトロフォールディング法の開発
Project/Area Number |
18580107
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
北條 裕信 Tokai University, 工学部, 教授 (00209214)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 義昭 東海大学, 工学部, 教授 (50087574)
|
Keywords | 糖タンパク質 / 糖ペプチドチオエステル / セグメント縮合 / フォールデノング / 化学合成 |
Research Abstract |
糖タンパク質は、細胞増殖、がん化など重要な生命現象に深く関与している。その機能解明を進めるためには化学構造が明確な糖タンパク質が必要である。しかし、天然糖タンパク質、発現糖タンパク質(動物細胞等)は、多くの糖鎖構造が混じった状態で存在しており、それを化学的に単一な糖タンパク質へと精製することは、ほとんど不可能といってよい.このことが糖鎖機能の解明を阻む大きな原因になっている。そこで,我々は糖タンパク質の効率の良い化学合成法を用いて均一な糖タンパク質を合成し,その機能の解明を推進しようと考えている.本合成法に残されている問題の一つは,合成糖タンパク質のフォールディングについてである.これまで合成してきた糖タンパク質については、フォールディングの不具合が推定された.本研究では,より大きな糖鎖を持つ糖タンパク質を合成し,フォールディングさせることにより、立体構造形成における糖鎖の影響を解析することとした. 昨年度11糖を持つ糖-Asnユニットをペプチド合成に利用したが、得られたペプチドはわずかであり、ほかのセグメントとの縮合により、糖タンパクへと導くのは困難であると判断した.そこで、市販の9糖ユニットを用いて再度ペプチド合成を行い、他のセグメントとの縮合を経て9糖付きのケモカイン(CCL27、アミノ酸95残基)の合成に成功した.ジスルフィド結合形成と同時にフォールディングを行ったところ、天然と異なるジスルフィド結合を持つCCL27が主生成物として得られた.糖鎖の影響をさらに調べるため、単糖付きおよび、糖なしのCCL27も合成したところ、単糖付きは9糖のものと同様の結果であった.一方糖なしのCCL27は、天然のジスルフィド結合型が主生成物であった.以上のように、CCL27について糖鎖の有無によってポリペプチドのフォールディングが影響を受けるという興味深い結果を得た.
|
Research Products
(7 results)