2006 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧反応条件の汎用性拡張を目指してー保護基の導入・除去反応への応用ー
Project/Area Number |
18580108
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松尾 一郎 独立行政法人理化学研究所, 伊藤細胞制御化学研究室, 先任研究員 (40342852)
|
Keywords | 超高圧反応 / 糖鎖 / 脱保護反応 / 脱アセチル化 |
Research Abstract |
超高圧反応条件の汎用性拡張を目指して、糖鎖の化学合成に必須な保護基の導入および除去反応に対して超高圧反応条件を積極的に利用し、圧力と反応加速効果、反応溶媒による影響などを定量的に明らかとする。そして、化学量論的反応や反応効率の向上による使用試薬の軽減を実証し、それに伴う精製工程の簡略化などの合成化学的メリットを定量的に示す。また、超高圧反応条件の問題点として、詳細な反応条件検討の困難さが上げられる。この点を改善すべく、多サンプルを同時に反応させることが可能な反応容器の開発をめざす。そして、一度に、種々の反応条件、溶媒効果や試薬の当量などが細かく検証できるような工夫を行う。 H18年度は以下の2点について検証を行った。 1.超高圧反応用反応容器の開発:内容量100マイクロリットル以下での反応を可能にするために直径4mmの筒型容器を作成、両端からキャップをすることにより内容量の調整が可能な容器を作成した。現在、超高圧反応条件下での耐久試験を行っている。 2.脱アセチル化反応:グルコース誘導体(アセチル基、リン酸エステル、脂肪酸エステル)を含む複雑な化合物)に対する選択的脱アセチル化反応を検討した。試薬の当量をコントロール(等モル)した結果、常圧では5%程度しか反応が進行しないのに対し、超高圧条件下(5000気圧)では約5倍程度の反応加速効果が確認された。現在、脱アシル化反応における圧力効果および選択性の違いを検証している。
|