2007 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧反応条件の汎用性拡張を目指して-保護基の導入・除去反応への応用-
Project/Area Number |
18580108
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松尾 一郎 The Institute of Physical and Chemical Research, 伊藤細胞制御化学研究室, 専任研究員 (40342852)
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Keywords | 超高圧反応 / ペプチド合成 / 保護、脱保護 / 有機合成 |
Research Abstract |
超高圧反応条件の汎用性拡張を目的として、保護基の導入および除去反応、エステル化やアミド化反応などの一般的な合成反応に対して超高圧反応条件を積極的に利用、超高圧反応の有効性を示すこととした。 H19年度は以下の3点について検証を行った。 1)超高圧条件下の溶媒効果および圧力依存性の検討:脱シリル化反応をモデルとして検証を行った。その結果、脱シリル化反応は圧力依存的に加速されることが示された。また、種々の溶媒を検討した結果、アセトニトリルやピリジンは、DMFに比べて3倍以上、反応加速することが示された。超高圧反応を効率的に行うためには溶媒の選択が重要であることがわかった。 2)脱アセチル化反応:昨年度に続きグルコース誘導体(アセチル基、リン酸エステル、脂肪酸エステル)を含む複雑な化合物)に対する選択的脱アセチル化反応を検討した。超高圧条件下(5000気圧)では約5倍程度の反応加速効果が得られるとともに、脱アシル化の選択性も異なることが示された。現在、圧力効果による、その選択性の違いに関して詳細に検討している。 3)超高圧条件下におけるペプチド合成:アミノ酸のカルボキシル基に対してN-メチルアミノ酸の縮合反応を超高圧条件下行った。その結果、常圧ではほとんど生成物が得られなかったのに対し、超高圧条件下(8000気圧)では目的のジペプチドが収率よく得られた。超高圧条件下では合成が困難なペプチドが効率よく合成できることを示した。現在、長鎖のペプチド合成に向けて検討を行っている。
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