2006 Fiscal Year Annual Research Report
モデル蛋白質を用いた食原性プリオン伝播抑制効果を持つ食品成分の探索とその機能改良
Project/Area Number |
18580114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中村 宗一郎 信州大学, 農学部, 教授 (00105305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 浩蔵 信州大学, 農学部, 助教授 (20345763)
寺嶋 正治 島根大学, 医学部, 助教授 (40227517)
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Keywords | 食原性プリオン / シスタチン / 凝集阻害 / 食品由来成分 / 機能改変 |
Research Abstract |
食原性異常プリオンの伝播を予防し,BSEやvCJDの発症抑制に資するために,プリオンタンパク質と同様にアミロイド形成を引き起こすヒト型シスタチンをモデルタンパク質に用いた実験を行った。まず,ヒト型シスタチンcDNAを合成し,PCRにてXba I及びXho Iサイトを導入しpPICZαプラスミドのAOX promoter下流に組み込んだ。このプラスミドを線状にした後,メタノール資化性酵母Pichia pastrorisを形質転換した。形質転換酵母は,5mg/mlの組換えタンパク質を培地中に高発現することが認められた。分泌タンパク質は,硫安沈殿とサイズ排除クロマトグラフィーで精製した。こうして得られた組換えタンパク質を用いて,まず,アミロイド形成の引き金となる環境要因(pH,熱及び溶媒など)について調べた。その結果,pH2.0〜4.0,トリフロロエタノール存在下で〜60℃にインキュベーションするとアミロイド化が起こることが認められた。そこで,この条件下で,食品成分由来の種々のペプチド,オリゴ糖,及びポリフェノール化合物のアミロイド化形成抑制効果について調べた。その結果,朝鮮人参由来のフラボノイドであるジンセノサイドに有効な抗アミロイド形成効果があることが示された。その効果と糖鎖の結合数及び結合位置について検討を加え,更なる解析を行った結果,プロトパナキサトリオール系に属し,糖鎖の1個ついたRg1が強い活性を示すことが明らかにされた。以上の研究成果は,日本農芸化学会2007年度大会において口頭発表(大脇 貴薫,前田 悠樹,中村宗一郎:シスタチンのアミロイド形成に及ぼすジンセノサイドの影響)した。
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