2006 Fiscal Year Annual Research Report
L型ピルビン酸キナーゼ遺伝子のグルコース応答性転写因子複合体の解明
Project/Area Number |
18580117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
野口 民夫 大阪大谷大学, 薬学部, 教授 (70135721)
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Keywords | ChREBP / ChREBP結合タンパク質 / PGC1 / Sp1 / SREBP1 / NF-Y |
Research Abstract |
1.ChREBPと相互作用するタンパク質の検索 ラットのChREBPをグルタチオンS-トランスフェラーゼとの融合タンパク質として大腸菌で発現させ、グルタチオンセファロースビーズに結合させた。これにラット肝臓から抽出した核タンパク質を反応させ、よく洗浄後、結合タンパク質を質量分析にて解析した。その結果、いくつかのタンパク質が同定されたが、候補と考えられるようなタンパク質は見当たらなかった。まだ、結合の特異性に問題があり、これを解決することが必要なので、現在、種々の方法を検討中である。 2.PGC1ファミリータンパク質の役割の検討 ChREBPと相互作用するかもしれない既知の転写共役因子の影響を検討したところ、PGC1ファミリータンパク質がChREBPの作用を抑制することを見出した。現在、その機構を検討中である。 3.ラットChREBP遺伝子の転写制御機構の検討 ラットChREBP遺伝子のプロモーター領域を含む断片をクローニングし、翻訳開始点上流約900bpの配列を明らかにするとともに、複数の転写開始点を同定した。レポーターアッセイで転写制御領域を調べたところ-163から-32の間に複数の制御領域があることが示唆された。これらの領域はSp結合部位、ステロール調節部位、NF-Y結合部位で、それぞれ細胞内でSp1、SREBP1、NF-Yが結合していることが電気泳動移動度シフトアッセイやクロマチン免疫沈降法で示された。また、Sp1とNF-Yの間、Sp1とSREBP1の間で、それぞれ相乗効果のあることが認められた。したがって、ChREBP遺伝子の転写制御にはこれらの転写因子の間の相乗作用が重要であることが明らかになった。
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