2007 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復能及びタンパク質品質管理機能増強による抗パーキンソン病機能性食品の開発
Project/Area Number |
18580123
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
照屋 輝一郎 Kyushu University, 農学研究院, 助教 (10273971)
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Keywords | 細胞・組織 / 食品 / 脳神経疾患 / ストレス / シグナル伝達 |
Research Abstract |
ドーパミンニューロンへの酸化ストレス負荷による細胞障害の誘導と障害評価として、NO発生剤であるSIN-1処理やSNP処理などをSH-SY5Y細胞に行った。その結果生じる細胞障害に関して、細胞の生存率をWST-1法により評価した。また細胞のアポトーシスに関してはカスパーゼの活性化状態をイムノブロッティングにより評価した。本項目では候補機能性食品がSIN-1またはSNP処理に由来する細胞障害への抑制効果を評価した。その結果、NO発生ストレスに対するドーパミンニューロン保護効果を指標とし、検討を行ったところ顕著な効果を示す結果を得ることはできなかった。 ドーパミンニューロンへのタンパク質品質管理機能質賦活効果の検討として、プロテアソーム阻害剤MG-132処理による細胞障害への候補機能性食品の効果を評価したところ、酵素消化低分子化フコイダン抽出物処理において細胞内異常タンパク質の指標となるユビキチン結合タンパク質の蓄積に対する緩和効果が確認された。さらに細胞内で異常タンパク質を分解する機能を持つプロテアソーム活性の賦活化が確認された。 実験動物検定系による酵素消化低分子化フコイダン抽出物の抗パーキンソン病効果の評価として、パーキンソン病モデルマウス(MPTP+probenecid処理C57BL/6J雄性マウス)に酵素消化低分子化フコイダン抽出物を投与した結果、MPTP障害による自発運動能力低下に対する緩和効果が確認され、中脳におけるtyrosine hydroxylase発現減少に対する保護効果が確認された。tyrosine hydroxylaseはドーパミン生合成の律速酵素でドーパミンニューロンマーカーとして用いられているため、酵素消化低分子化フコイダン抽出物はMPTP障害に対するドーパミンニューロン保護効果を有することが示唆された。
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