2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞癌化抑制能を有するアントシアニンの細胞シグナル伝達経路の解明
Project/Area Number |
18580125
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
侯 徳興 Kagoshima University, 農学部, 准教授 (90305160)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 信 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70041655)
橋本 文雄 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (70244142)
|
Keywords | アントシアニン / 細胞癌化抑制能 / 細胞シグナル伝達 / NF-kB / 食品分子作用機構 |
Research Abstract |
本研究は、アントシアニンによる細胞癌化抑制の分子機構を明らかにするために、1)アントシアニンと細胞癌化に関わる細胞膜受容体TLR4との作用を解析し、TLR4との結合の有無を明らかにする;2)細胞癌化に関わる細胞内のシグナル伝達分子を解析し、アントシアニンの細胞内での信号伝達経路等を明らかにする。内容1)は、すでに平成18年度で明らかにしたように、デルフィニジン3-ガラクトース(Dp3-Gal)は、細胞膜受容体TLR4を介さず、細胞内のシグナル経路を制御することが示唆された。したがって、平成19年度は、内容2)、即ちアントシアニンの細胞内シグナル伝達経路に対する作用を解析した。リポ多糖体(LPS)で活性化したマウスマクロファージ様細胞において、異なるDp3-Gal濃度および時間で処理を行い、その後細胞を回収した。得られたタンパク質をPAGEで分離し、メンブレンに移した。特異的な細胞内シグナル分子の抗体を用いて化学免疫反応を行い、細胞内シグナル分子のリン酸化などを検出した。その結果、Dp3-Galは、リポ多糖体(LPS)で活性化したマクロファージにおいてNF-kBの活性化を抑制した。その上流の細胞内シグナル伝達経路を解析すると、Dp3-GalがさらにIKKやTAK1のリン酸化を抑制した。したがって、Dp3-Galが細胞膜受容体TLR4を介さず、細胞内のシグナル伝達経路TAK1/IKK/NF-kBを阻害し、細胞炎症や癌化を抑制することが示唆された。これからアントシアニンが細胞内のシグナル伝達分子と結合するかどうかさらに解析していきたいと思う。
|
Research Products
(2 results)